2010年の厚生労働省の調査によると、全国の医師届け出数は29万5049人です。そのうち女性は5万5897人で、18.9%です。女性医師の割合が一番多いのが眼科で助成率は36.5%、次いで皮膚科の22.7%です。内科は14.1%となっています。
一番女性医師が少ない診療科は整形外科で、1割に満たない状況です。整形外科医を目指す人には、学生時代にラグビーやサッカー、野球などでひじや膝や腰などを痛めて、整形外科のお世話になったという人が多いです。そのため、医局はバリバリの体育会系で、女性が近づき難くなっているようです。また、手術は力仕事も多いというのが現状です。
のこぎりで骨を切断したり、ハンマーで骨を砕いたり、ねじを入れたり、さながら大工職人のような雰囲気です。しかし近年は、関節鏡を使った手術も多くなってきました。また、手術だけではなく薬物療法も進歩しました。関節リウマチでは、生物学的製剤の登場によって、今までは変形を来していた関節も変形することが少なくなりました。
人工関節を入れていた膝も、生物学的製剤で治療して骨の破壊を阻止し、日常生活を送れるようになっています。診断技術も関節エコーやMRIなどで骨膜の肥厚や骨膜炎の程度が判るようになり、早期の段階で診断がつくようになりました。腰痛や肩こりの治療も、筋膜の存在が判り、進化しています。手術だけではなく、薬物療法や体の使い方、体幹を鍛える方法など整形外科医ができることはどんどん増えています。
そしてこれらは、力仕事ではないので、女性の活躍できる場です。整形外科の医局の雰囲気も少しずつ変わりつつあります。
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